MENU

失業保険の待機期間は7日間!数え方・過ごし方・お金が振り込まれるまでを解説

この記事でわかること
  • 失業保険の待機期間は離職理由を問わず全員一律7日間であること
  • 「待機期間=2カ月」という勘違いと給付制限期間との違い
  • 待機期間7日間の正しい数え方と、開始が後ろ倒しになる条件
  • 待機期間中にやってよいこと・避けたほうがよいこと
  • 待機期間後にお金が振り込まれるまでの流れとスケジュール

会社を辞めて失業保険をもらおうとするとき、最初に必ず通る関門が「待機期間」です。この7日間の意味やルールを知らないまま過ごしてしまうと、受給開始が思わぬかたちで遅れることがあります。

待機期間は、離職理由に関係なくすべての人に一律で適用される期間です。一方で「待機期間=2カ月」といった勘違いも多く、給付制限期間と混同したまま手続きを進めてしまう人も少なくありません。

この記事では、待機期間の正しい数え方から、過ごし方の注意点、そして実際に口座へお金が振り込まれるまでの流れまでを、初心者にもわかりやすく整理して解説します。2025年4月の法改正で変わったポイントもあわせて紹介するので、これから手続きをする方はぜひ参考にしてください。

目次

失業保険の待機期間は離職理由を問わず全員一律7日間

失業保険の待機期間は、自己都合退職でも会社都合退職でも変わりません。どんな理由で会社を辞めた人にも、一律で7日間が適用されます。

この点について、ハローワーク神戸は次のように説明しています。

ハローワーク神戸の説明

初めて失業保険の手続きに来所した日(受給資格決定日)から失業状態にあった日が通算して7日間経過するまでは、失業保険を受け取ることができない期間 (待期) になります。

引用元:ハローワーク神戸「失業保険受給中の方」

つまり、退職理由の有利・不利にかかわらず、まずはこの7日間を全員が経過する必要があるということです。待機期間は雇用保険法で定められた仕組みであり、個別の事情で短縮されたり免除されたりすることはありません。

まずは「7日間は全員共通のスタートライン」と理解しておくと、その後の流れがつかみやすくなります。

待機期間中は手当が支給されない

待機期間の7日間は、失業保険が一切支払われない期間です。手続きを終えてすぐにお金が振り込まれるわけではない、という点をまず押さえておく必要があります。

待機期間が「支給されない期間」である理由は、この7日間があくまで失業状態を確認するための観察期間だからです。手当を受け取れるのは、待機期間が満了した翌日以降になります。

待機期間中に支給されないことの意味を整理すると、次のようになります。

  • 待機期間の7日間そのものは、失業手当の対象日数に含まれない
  • お金が動き始めるのは、待機満了後に失業認定を受けてから
  • 会社都合退職の人は待機満了の翌日から受給対象期間に入るが、実際の入金はさらに先になる

このように、待機期間はあくまで「支給が始まる前の準備段階」と考えておくと、退職後の生活設計を立てやすくなります。7日間分の生活費は自分でまかなう必要がある、という前提で準備しておくと安心です。

「待機期間=2カ月」は勘違い(給付制限との混同)

「失業保険は2カ月待たないともらえない」という話を聞いたことがある人は多いはずです。しかし、これは待機期間そのものの説明としては正しくありません。

この誤解は、待機期間(7日間)と給付制限期間を混同してしまうことから生まれます。自己都合退職の場合、7日間の待機期間の後に、さらに給付制限期間が上乗せされる仕組みになっているためです。

失業保険・退職給付の相談室では、この2つの違いを次のように整理しています。

失業保険・退職給付の相談室の整理
  • 待機期間は離職理由を問わず全員に適用される7日間。この間のアルバイトは厳禁で、働くと待機が延長される。
  • 給付制限は自己都合退職者にのみ適用される「上乗せの空白期間」。

引用元:失業保険・退職給付の相談室

つまり「2カ月」は給付制限期間の話であって、待機期間の長さではありません。待機期間はあくまで7日間、その先に自己都合退職者だけの給付制限が続く、という二段構えで理解するのが正解です。

そもそも失業保険の待機期間とは?設けられている理由

待機期間がなぜ設けられているのかを知っておくと、この7日間の意味がより深く理解できます。単なる待ち時間ではなく、制度として明確な目的があります。

待機期間は、失業保険を申請した人が本当に失業しているのかを確認するための期間です。この確認のプロセスがあることで、制度が正しく運用され、必要な人に手当が届く仕組みになっています。

ここでは、待機期間が持つ役割を2つの角度から見ていきます。「なぜ確認が必要なのか」と「誰に適用されるのか」を押さえておきましょう。

「本当に失業しているか」を確認するための期間

待機期間の最大の目的は、申請者が実際に失業状態にあるかを国が確認することです。7日間、働かずに求職している状態が続いて初めて「失業している」と認められます。

弁護士保険ステーションでは、待機期間の意味を次のように説明しています。

弁護士保険ステーションの説明

失業手当を受けようとしている人が本当に失業しているかどうかを、国が確認するために設けられた期間のこと。

引用元:弁護士保険ステーション

失業保険は、働く意思と能力がありながら仕事に就けない人を支えるための制度です。そのため、申請直後にすぐ支給するのではなく、一定期間の観察を挟むことで、制度の趣旨に沿った運用がなされています。

この観察期間があるからこそ、待機期間中に働いてしまうと「失業していない」と判断され、日数がカウントし直しになるのです。

すべての受給申請者に適用される仕組み

待機期間は、失業保険を申請する人であれば例外なく全員に適用されます。会社都合で辞めた人も、自己都合で辞めた人も、この7日間を避けて通ることはできません。

タウンワークマガジンは、この一律性について次のように述べています。

タウンワークマガジンの説明

待期期間とは、離職理由にかかわらず一律に適用される受給待機期間です。手続きをして受給資格が決定した日から通算して7日間が該当します。

引用元:タウンワークマガジン

会社都合退職や特定理由離職者は給付制限がないため、待機期間さえ終われば受給が始まります。一方で自己都合退職者は、待機期間の後にさらに給付制限が続きます。

このように、その後の流れは離職理由によって分かれますが、入口である待機期間だけは全員が共通して通る仕組みになっている点を覚えておきましょう。

失業保険の待機期間7日間の正しい数え方

待機期間は「7日間」とシンプルですが、いつから数え始めるのか、どの日を含めるのかを間違えると、受給開始時期の見込みがずれてしまいます。ここで正しい数え方を確認しておきましょう。

待機期間のカウントには、起点となる日と、含める日についての決まったルールがあります。この2つを正確に理解しておけば、自分の受給スケジュールをおおよそ把握できるようになります。

さらに、手続きのタイミングによって開始日が後ろにずれる点も見落としがちなポイントです。順番に見ていきましょう。

カウントの起点は「受給資格決定日」

待機期間の7日間は、ハローワークで手続きをして受給資格が決まった日から数え始めます。この日を「受給資格決定日」と呼びます。

退職した日や離職票が届いた日ではなく、あくまでハローワークで求職の申込みをした日が起点です。この起点を間違えると、待機満了日の見込みが全体的にずれてしまうため注意が必要です。

具体的な数え方のイメージは、次のとおりです。

  • 受給資格決定日が10月1日の場合、待機期間は10月1日から10月7日までの7日間
  • 待機が満了するのは10月7日で、支給対象になるのは翌日の10月8日以降
  • 自己都合退職の場合は、10月8日からさらに給付制限期間が始まる

このように、すべての計算はハローワークで手続きをした日を起点に進みます。まずは自分の受給資格決定日がいつなのかを、手続きの際にしっかり確認しておきましょう。

土日・祝日も日数に含まれる

待機期間の7日間は、平日だけを数えるわけではありません。土曜・日曜・祝日も含めて、暦のうえで連続した7日間としてカウントされます。

「7日間」というと営業日だけを数えるイメージを持つ人もいますが、それは誤りです。待機期間は暦日でカウントされるため、週末や祝日をまたいでも日数が止まることはありません。

この暦日カウントについて、STRIDEは次のように説明しています。

STRIDEの説明

はい、暦日でカウントするため土日祝も含みます。連続7日間です。

引用元:STRIDE

たとえば月曜日に手続きをした場合、その週の日曜日で待機期間は満了します。土日祝を含めて数えるぶん、思っていたより早く待機が明けるとも言えます。

カレンダー通りに7日を数えれば満了日がわかるので、計算はそれほど難しくありません。

ハローワークへの手続きが遅れると開始も後ろ倒しになる

待機期間の起点は受給資格決定日、つまりハローワークで手続きをした日です。そのため、手続きが遅れれば遅れるほど、待機期間の開始も後ろにずれていきます。

退職してすぐに待機期間が自動で始まるわけではない、という点が重要です。離職票が届くのを待ち、ハローワークに行って求職申込みをして、初めて時計が動き出します。

手続きの遅れが受給に与える影響を整理すると、次のようになります。

  • 離職票の到着はおおむね退職後10日〜2週間かかる
  • 手続きが遅れれば、その分だけ待機期間の開始も遅くなる
  • 待機の開始が遅れれば、自己都合の場合は給付制限や実際の入金もすべて後ろ倒しになる

早く受給を始めたいのであれば、離職票が届き次第、できるだけ早くハローワークへ行くことが大切です。手続きを先延ばしにするほど、最初の入金が遠のいてしまう点を意識しておきましょう。

待機期間と給付制限期間の違いを比較

失業保険の理解でつまずきやすいのが、待機期間と給付制限期間の違いです。どちらも「お金がもらえない期間」ですが、対象者も期間もまったく異なります。

この2つを混同すると、受給スケジュールを大きく読み違えてしまいます。待機期間は全員共通、給付制限は自己都合退職者だけ、という基本の区別をここでしっかり押さえましょう。

さらに2025年4月の法改正で給付制限の期間が変わったため、最新のルールもあわせて確認しておく必要があります。

対象者と期間の違い(一覧で確認)

待機期間と給付制限期間の違いは、表で並べて見るとひと目でわかります。それぞれの対象者と期間を整理すると、次のようになります。

スクロールできます
項目待機期間給付制限期間
対象者申請者全員自己都合退職者など
期間7日間原則1カ月
(2025年4月以降の離職)
起点受給資格決定日待機期間の満了後
アルバイト原則不可条件を満たせば可能

この表からわかるように、待機期間は全員が通る7日間で、その後に自己都合退職者だけが給付制限期間を経ることになります。2つは「順番につながっている別々の期間」であり、足し合わせて考えるものではありません。

自分がどちらに該当するのかを確認すれば、受給開始までのおおよその日数が見えてきます。

自己都合退職と会社都合退職で異なる受給開始時期

失業保険をいつから受け取れるかは、退職理由によって大きく変わります。会社都合か自己都合かで、受給開始のタイミングに1カ月以上の差が生まれることもあります。

会社都合退職の場合は給付制限がないため、待機期間の7日間が終わればすぐに受給対象期間に入ります。一方、自己都合退職の場合は、待機期間の後にさらに給付制限期間が続きます。

退職理由別の受給開始の流れを整理すると、次のようになります。

  • 会社都合退職・特定理由離職者:待機期間7日間の満了後、すぐに受給対象期間に入る
  • 自己都合退職:待機期間7日間+給付制限(原則1カ月)を経てから受給対象期間に入る
  • どちらの場合も、実際の入金は失業認定を受けたさらに後になる

このように、同じ失業保険でも受給開始までの道のりは退職理由で分かれます。自分の離職票にどの離職理由が記載されているかを確認することが、スケジュールを把握する第一歩になります。

2025年4月の法改正で給付制限が1カ月に短縮

自己都合退職の給付制限期間は、2025年4月の法改正で大きく変わりました。これまで原則2カ月だった給付制限が、原則1カ月へと短縮されています。

この改正は、離職後に無給で過ごす期間を減らし、安心して再就職を目指せるようにするためのものです。社会保険労務士法人おぎ堂事務所は、改正内容を次のように説明しています。

社会保険労務士法人おぎ堂事務所の説明

2025年4月からは、この給付制限期間が1か月に短縮されます。この変更により、離職してから約1か月半程度で給付を受けることが可能になります。

引用元:社会保険労務士法人おぎ堂事務所

ただし注意点として、短縮が適用されるのは2025年4月1日以降に離職した人に限られます。また、5年以内に3回以上自己都合で退職した場合は、給付制限が3カ月になります。

自分の離職日と過去の退職回数を確認したうえで、どのルールが適用されるかを把握しておきましょう。

待機期間中にやってよいこと・避けたほうがよいこと

待機期間中の過ごし方には、明確なルールがあります。やってよいことと避けたほうがよいことを知らずに動くと、待機期間が延びてしまうことがあります。

特に迷いやすいのが、生活費のためのアルバイトです。待機期間中に働いてよいのか、働くとどうなるのかは、多くの人が気になるポイントでしょう。

ここでは、労働時間による扱いの違いや、求職活動の位置づけを整理して解説します。

1日4時間以上のアルバイトは待機が延長される

待機期間中に1日4時間以上のアルバイトをすると、その日は「就労」とみなされます。就労した日は失業状態と認められないため、待機期間がその分だけ延長されてしまいます。

厚生労働省(ハローワーク渋谷)は、労働時間による区分を次のように定めています。

厚生労働省(ハローワーク渋谷)の定め

原則として、1日の労働時間が4時間未満の場合は、「内職・手伝い」となり、1日の労働時間が4時間以上の場合は、「就労・就職」となります。

引用元:ハローワーク渋谷「雇用保険求職者給付についてお問合せが多い項目(Q&A)」

つまり、待機期間中に4時間以上働くと、7日間のカウントがそこで止まってしまうということです。早く待機期間を終わらせたいなら、この期間はまとまった時間のアルバイトを控えるのが賢明です。

生活費が心配な場合でも、待機期間の7日間だけはできるだけ働かずに過ごすことをおすすめします。

1日4時間未満の内職・手伝いは可能

一方で、1日4時間未満の短時間の労働は「内職・手伝い」として扱われます。この区分であれば、待機期間中でも働くこと自体は可能です。

ただし、可能とはいえ完全に自由というわけではありません。働いた事実は必ずハローワークに申告する必要があり、収入額によっては後の給付に影響することもあります。

内職・手伝いについて押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 1日4時間未満の労働は「内職・手伝い」に区分される
  • 収入があった場合は、直後の認定日に申告が必要
  • 収入額によっては、後の基本手当が減額されることがある

短時間なら働ける仕組みにはなっていますが、申告を怠るとトラブルの原因になります。働いた場合は金額の多い少ないにかかわらず、必ず正直に申告することが大前提です。

求人応募や面接はできるが実績にはカウントされない

待機期間中でも、求人への応募や面接を受けること自体は問題ありません。むしろ、早く再就職を目指すうえで積極的に動くことは望ましい行動です。

ただし注意したいのは、待機期間中の求職活動は、失業認定に必要な「求職活動実績」にはカウントされないという点です。求職活動実績は、待機期間が明けて受給対象期間に入ってからの活動が対象になります。

求職活動実績として認められる活動には、次のようなものがあります。

  • 求人への応募
  • ハローワークが行う職業相談
  • 各種講習やセミナーの受講
  • 再就職のための資格試験の受験

これらの活動は、原則として認定日までに一定回数おこなう必要があります。待機期間中に動くのは自由ですが、実績づくりは待機明け以降を意識して計画的に進めるとよいでしょう。

もし待機期間中に働いてしまったときの対応

ルールを知らずに、あるいはうっかり待機期間中に働いてしまうこともあるかもしれません。そんなときは、慌てず正しく対応すれば大きな問題にはなりません。

大切なのは、働いた事実を隠さずにハローワークへ申告することです。申告さえきちんとすれば、待機期間が繰り越されるだけで受給資格を失うことはありません。

ここでは、働いてしまった場合の正しい対応と、隠した場合のリスクを解説します。

ハローワークへ正しく申告する

待機期間中に働いてしまった場合、まずやるべきことはハローワークへの正直な申告です。どんなに短時間でも、少額でも、働いた事実は必ず申告する必要があります。

申告は失業認定日に提出する「失業認定申告書」でおこないます。働いた日数や収入額を偽りなく記入することが、正しい手続きの基本です。

申告について押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

  • パート、アルバイト、研修など名称を問わず申告が必要
  • 収入の有無にかかわらず申告の対象になる
  • 報酬の発生しないボランティア活動も申告が必要

申告そのものは難しい作業ではなく、書き方に迷ったら窓口で相談できます。「申告すると損をするのでは」と考える必要はありません。正しく申告することが、結果的にトラブルを避ける最も確実な方法です。

働いた日数分だけ待機が繰り越される

待機期間中に4時間以上働いた場合でも、受給資格そのものがなくなるわけではありません。働いて失業状態でなかった日数分だけ、待機期間が後ろに繰り越されるという扱いになります。

タウンワークマガジンは、この繰り越しの仕組みを次のように説明しています。

タウンワークマガジンの説明

受給資格が決定した日から通算7日間の待期期間中は、アルバイトをしたらその日は待期期間にカウントされません。

引用元:タウンワークマガジン

つまり、待機期間はあくまで「失業状態の日が通算7日」になるまで続くということです。働いた日はカウントに入らないため、その分だけ満了日が先送りになります。

受給できなくなるわけではないので、うっかり働いてしまっても落ち着いて申告すれば大丈夫です。

隠して受給すると不正受給になる

最も避けなければならないのが、働いた事実を隠して失業保険を受け取ることです。これは不正受給にあたり、厳しいペナルティの対象になります。

「短時間だからバレないだろう」という考えは非常に危険です。ハローワークは随時調査をおこなっており、第三者からの通報によって発覚するケースもあります。

不正受給が発覚した場合のペナルティは、次のように厳しいものです。

  • それ以降の失業手当の支給停止
  • 不正に受け取った額の全額返還
  • さらに返還額の最大2倍の納付命令(いわゆる「3倍返し」)
  • 納付に応じない場合は財産の差し押さえ

このように、隠して得られる目先の金額に対して、失うものはあまりに大きくなります。正直に申告すれば待機の繰り越しで済む話が、隠すことで重い処罰につながります。どんな場合も、正確な申告を徹底することが自分を守る最善策です。

失業保険の待機期間を短くする方法はある?給付を早める条件

待機期間そのものは7日間で固定されており、短縮することはできません。しかし、待機期間の後に続く給付制限期間をなくせば、実質的に給付を早めることは可能です。

自己都合退職の場合でも、一定の条件を満たせば給付制限が解除されるケースがあります。条件に当てはまれば、待機期間の7日間だけで受給が始められることもあります。

ここでは、給付を早めるための3つの条件を具体的に見ていきましょう。

会社都合退職なら給付制限がなく早く受け取れる

最も早く受給できるのは、会社都合退職や特定受給資格者に該当するケースです。これらの場合は給付制限がないため、待機期間の7日間が終わればすぐに受給対象期間に入ります。

倒産や解雇など、自分の意思によらない離職がこれに当たります。自己都合退職と比べて、受給開始までの期間が原則1カ月ほど短くなるのが大きな違いです。

会社都合退職と自己都合退職の受給開始の違いは、次のとおりです。

  • 会社都合退職:待機期間7日間の満了後、すぐに受給対象期間に入る
  • 自己都合退職:待機期間7日間+給付制限(原則1カ月)を経てから受給対象期間に入る

自分の離職理由が本当に自己都合なのかどうかは、離職票の記載で確認できます。実態と異なると感じる場合は、ハローワークで相談してみる価値があります。

特定理由離職者に認定されると給付制限が解除される

自己都合での退職であっても、「特定理由離職者」と認定されれば給付制限が解除されます。やむを得ない正当な理由での退職と認められた場合に、この扱いになります。

特定理由離職者に該当する主なケースには、病気やケガ、家族の介護、配偶者の転勤に伴う転居などがあります。自分の意思で退職はしているものの、その理由が社会通念上やむを得ないと判断されるかがポイントです。

STRIDEは、特定理由離職者の扱いについて次のように述べています。

STRIDEの説明

離職理由を「特定理由離職者」に変更:病気・介護・配偶者転勤等の正当理由を主張し、ハローワークが認めれば給付制限なし

引用元:STRIDE

認定を受けるには、ハローワークでの審査が必要です。診断書や介護認定書などの証明書類を準備し、離職票の提出時に必ず申し出ましょう。

なお、証拠のない虚偽の理由を主張することは不正受給にあたるため、事実に基づいた申告が大前提です。

職業訓練や教育訓練の受講で給付制限を外せる

2025年4月の法改正で新設されたのが、教育訓練の受講によって給付制限を解除できる制度です。条件を満たせば、自己都合退職でも待機期間の7日間だけで受給を始められます。

厚生労働省は、この新しい制度について次のように案内しています。

厚生労働省の案内

上記のいずれかの教育訓練等を離職日前1年以内に受けた方、または離職後に受けている方は、給付制限なしで7日間の待機期間後に失業保険を受け取れます。

引用元:労務SEARCH(厚生労働省の制度を解説)

対象となるのは、離職日前1年以内、または離職後に厚生労働省が指定する教育訓練を受講した場合です。通信講座や資格スクールの講座も対象に含まれるため、活用のハードルは比較的低くなっています。

ただし、2025年4月1日以降に受講を開始したものに限られる点や、受講についてハローワークへの申し出が必要な点には注意しましょう。

待機期間後にお金が振り込まれるまでの流れとスケジュール

待機期間が終われば、いよいよ受給に向けた手続きが本格化します。とはいえ、待機満了と同時にお金が振り込まれるわけではありません。

実際に口座へ入金されるまでには、いくつかのステップと待ち時間があります。ここで全体の流れを把握しておけば、いつ頃お金が入るかの見通しが立てられます。

初回の受給額が少なくなる仕組みもあわせて確認しておきましょう。

求職申込から失業認定までのステップ

失業保険を受け取るまでには、決まった手順があります。求職の申込みから失業認定まで、順を追って進めていく必要があります。

弁護士保険ステーションは、受給までの手続きの流れを次のように整理しています。

受給までの手続きの流れ
  • ハローワークで求職の申込みをする
  • 7日間待機する
  • 雇用保険受給者初回説明会に参加する
  • 失業の認定を受ける
  • 失業手当の受給が開始する

引用元:弁護士保険ステーション

この流れの中で、初回説明会では制度の説明を受け、雇用保険受給資格者証や失業認定申告書が交付されます。これらの書類は失業認定に欠かせないものなので、なくさないように保管しましょう。

以降は原則4週間ごとに失業認定を受けることで、継続して手当を受け取れる仕組みになっています。

実際に口座へ入金されるまでの目安期間

失業認定を受けてから実際に口座にお金が振り込まれるまでには、少し時間がかかります。認定を受けたその日に即入金されるわけではない点を理解しておきましょう。

一般的には、失業認定日からおよそ1週間程度で指定口座に振り込まれます。自己都合退職の場合は、これに待機期間と給付制限期間が加わるため、離職から初回入金までは全体で時間がかかります。

入金までの目安を整理すると、次のようになります。

  • 失業認定日から口座への振込まで、おおむね1週間程度
  • 会社都合退職の場合、受給資格決定から初回振込まで約1カ月が目安
  • 自己都合退職の場合、給付制限が加わり離職から初回振込まで約1カ月半〜2カ月半程度

このように、退職理由によって入金までの期間は大きく変わります。特に自己都合退職の人は、最初の入金まで一定の期間があることを見込んで、生活費を準備しておくことが大切です。

初回は日数が差し引かれ受給額が少なくなる点に注意

初回の受給額は、2回目以降と比べて少なくなるのが一般的です。これは、待機期間や給付制限期間の関係で、認定対象となる日数が満額に満たないためです。

初回の認定では、支給の対象になる日数が期間の途中から始まることが多くなります。そのため、受給できる日数が28日分に満たず、その分だけ受給額も少なくなります。

初回受給額が少なくなる理由を整理すると、次のとおりです。

  • 待機期間の7日間は支給の対象日数に含まれない
  • 給付制限期間中の日数も支給の対象にならない
  • 結果として、初回は満額に満たない日数分だけの支給になる

「思っていたより少ない」と感じるのは、この仕組みによるものです。2回目以降は原則として28日分がまとめて支給されるようになるため、初回だけの特徴だと理解しておきましょう。

失業保険の待機期間に関するよくある質問

ここまで待機期間の基本を解説してきましたが、実際の生活の中では細かな疑問も出てきます。最後に、待機期間についてよく寄せられる質問をまとめて解説します。

内定が出たとき、病気やケガをしたとき、待機明けの働き方など、迷いやすい場面を取り上げます。自分の状況に近いものがあれば、参考にしてください。それぞれ、公的機関や専門家の情報に基づいて整理しています。

待機期間中に内定が出たらどうなる?

待機期間中に内定が出ても、それだけで失業手当が受け取れなくなるわけではありません。重要なのは、内定そのものではなく、実際に働き始めた日がいつかという点です。

dodaは、内定と就職日の関係を次のように説明しています。

dodaの説明

内定が出た時点では待期期間には影響しませんが、就職した日(実際に働き始めた日)がいつかによって対応が異なります。

引用元:doda

内定が出ても就職日までは失業状態とみなされるため、待機期間はそのまま進みます。待機期間が満了すれば、就職の前日分までは失業手当を受け取れる可能性があります。

一方で、待機期間中に実際に働き始めた場合は、その時点で就職したものとして扱われます。

待機期間中に病気やケガで働けなくなったら?

待機期間中に病気やケガで働けなくなった場合は、注意が必要です。失業保険は「働く意思と能力がある」ことが受給の前提となっているためです。

すぐに働ける状態でない場合、そのままでは失業状態と認められないことがあります。ただし、状況に応じて利用できる制度が用意されています。

働けなくなった場合の主な対応は、次のとおりです。

  • 15日以上30日未満働けない場合は、傷病の状態を申告して手当を受けられることがある
  • 30日以上働けない場合は、受給期間の延長手続きができる場合がある
  • 判断に迷う場合は、早めにハローワークへ相談する

病気やケガの状況によって取り得る対応は変わります。自己判断で放置せず、まずはハローワークの窓口で自分のケースを相談することが最も確実です。

待機期間が明けたらすぐにアルバイトしてよい?

待機期間が明ければ、条件を守ったうえでアルバイトをすること自体は可能です。ただし、いくつか気をつけたい点があります。

まず、給付制限期間中や受給中のアルバイトには、週20時間未満などの条件があります。また、待機明け直後から働きすぎると、求職活動が不十分と見られる可能性もあります。

退職の手引きは、待機明けのアルバイトについて次のように注意を促しています。

退職の手引きの注意

待機期間の終了直後から働き始めると、積極的な求職活動を行っていないと判断される可能性があるため、注意が必要です。

引用元:退職の手引き

待機明けにアルバイトをする場合は、労働時間を週20時間未満に抑え、必ずハローワークに申告することが基本です。そのうえで、本来の目的である再就職に向けた求職活動もしっかり続けることが大切です。

アルバイトはあくまで生活を支える手段と位置づけ、求職活動とのバランスを意識しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次